ラマルティーヌと聞いて思い浮かべるのは、フランスのロマン派の代表的な詩人、アルフォンス・マリー・ルイ・ド・ブラ・ド・ラマルティーヌのことですが、こちらは知る人ぞ知る、京都は「下鴨神社」の駐車場の近くの、下鴨本通り沿いに瀟洒な佇まいを見せる洋菓子店「ラマルティーヌ」です。1998年にオープンして以来、どこにもない素材の組み合わせ、その姿形、お味と風味のバランスを真摯に追究する姿勢に、「いつ行っても楽しいケーキが並ぶ」と定評のあるお店、そして今回はあえてこのお店のフィナンシェを取り上げてみることにしました。
お店の重厚な扉を開け、店内に入ると正面にはメインのケーキが並ぶショーケース、そして右手にはアンティークな食器棚のような家具がディスプレイされています。この家具の引き出しがそーっと半分ほど引かれ、その引き出しをのぞき込むと可愛い焼き菓子がこっそり並んでいます。その焼き菓子の中に
真ん中に木いちごのジャムを抱いたハート形のフィナンシェが潜んでいるのです。焼き菓子なのにたくさん作り置きをしないといったところも、このお店のケーキに対する想いがうかがえます。透明の個包装に入った5cm×4cmほどの小さなフィナンシェは、1個350円ですがこれが堪りません。
しっとりとしたフィナンシェ生地に焦がしバターの風味もよく、フィナンシェだけ頂くと甘みがいささか強く感じますが、真ん中に配すフランボワーズのジャムの酸味がしっかりあって、一緒に食すと口の中でバランスよく混ざり合い、いい味わいを楽しめます。強いて言うならもうひと回り大きいともっとフィナンシェ生地の本来のしっとり感も出て、食べ応え感もでるのかなぁと・・・。いやしかし「ラマルティーヌ」のいい仕事、しっかり伝わってきます。
🏡京都市左京区下鴨西林町22 ☎075-703-1118 🈺10:00~19:00 無休